とは何ぞや※[#白ゴマ、1−3−29]名實共に大隈伯を首領としたる黨與に依て組織せらるゝもの是れなり[#「名實共に大隈伯を首領としたる黨與に依て組織せらるゝもの是れなり」に二重丸傍点]、蓋し伯も亦曾て此冀望を抱て多數の俊髦を糾合したること此に年あり※[#白ゴマ、1−3−29]其徒沼間守一、小野梓、藤田茂吉等諸氏は、既に故人に屬すと雖も、尚ほ矢野文雄、島田三郎、犬養毅、尾崎行雄の四氏舊に仍て意氣軒昂たるあり、加ふるに鳩山和夫、大石正巳、加藤高明等の如き、伯と深縁あるもの亦之れなきに非ざるが故に、其多士濟々たる、以て優に理想的大隈内閣[#「理想的大隈内閣」に丸傍点]を組織するに餘りあらむ※[#白ゴマ、1−3−29]然るに現内閣中純然たる大隈派と目す可きものは[#「然るに現内閣中純然たる大隈派と目す可きものは」に傍点]、僅に尾崎[#「僅に尾崎」に傍点]、大石の兩氏あるに過ぎずして[#「大石の兩氏あるに過ぎずして」に傍点]、其他の閣員は[#「其他の閣員は」に傍点]、皆大隈伯と政治上の經路を異にしたる人物なり[#「皆大隈伯と政治上の經路を異にしたる人物なり」に傍点]、是れ豈世人の豫期したる如き大隈内閣ならむや[#「是れ豈世人の豫期したる如き大隈内閣ならむや」に傍点]。
大隈伯の同化力
第一次の大隈内閣は、不幸にして世人の理想に描かれたる大隈内閣にはあらじ※[#白ゴマ、1−3−29]伯亦自ら之を認識して、之れを名くるに一種の聯立内閣たるを以てす※[#白ゴマ、1−3−29]されど現内閣をして純然たる大隈内閣たらしむると否とは[#「されど現内閣をして純然たる大隈内閣たらしむると否とは」に二重丸傍点]、實に伯の同化力の大小如何に在り[#「實に伯の同化力の大小如何に在り」に二重丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]同化力とは何ぞや[#「同化力とは何ぞや」に二重丸傍点]、種々の意見議論を鎔解して[#「種々の意見議論を鎔解して」に二重丸傍点]、悉く之れを自己の模型に鑄合せしむるを謂ふ[#「悉く之れを自己の模型に鑄合せしむるを謂ふ」に二重丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]顧ふに進歩自由の兩派は從來政敵として氷炭相容れざりしものなり※[#白ゴマ、1−3−29]特に大隈伯は最も自由派の爲めに忌まれて、其深刻なる批評を受け、其激烈なる反感に觸れたるや久し※[#白ゴマ、1−3−29]
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