澱よりグルタミン酸約三十瓦を製し得たることによりて問題は解決せられ、其の余は単に最も有利なる製造の諸条件及び使用上最も便利なる製品を決定するに止まり、学術上より見れば余の発明は頗る簡単なる事柄なりしなり。
「味の素」が広く世に行はれ幾分にても国民栄養の上に貢献する所ありとせば其は主として製造者たる鈴木氏の宣伝の功に帰せざるべからず、余は唯当初の目的の過半達成せられたるを欣ぶものなり。



底本:「池田菊苗博士追憶録」池田菊苗博士追憶会
   1956(昭和31)年10月1日発行
初出:「人生化学」龜高徳平著、丁未出版社
   1933(昭和8)年3月発行
※底本ではこの作品の末尾に、「(本編は故理学博士龜高徳平著「人生化学」(昭和八年三月発行)の中から再録したものである)」との一節が添えられています。
入力:小林 徹・聡美
校正:富田倫生
2004年10月16日作成
2009年1月31日修正
青空文庫作成ファイル:
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