□□□□
    ――――――――
      □□□
      □□□
     ―――――――
      □□□□
       □□□
      ――――――
        □□□□
        □□□□
       ―――――
           0


        “虫喰ひ算”大會 第十六會場

 第十六會場はこちらです。さあさあお入りなされませ。第十五階選士の皆々さま。
(1)と(2)は輕くパスして、(3)は除數の十位をまづ解くことにし、(4)は左右對稱[#「對稱」は底本では「對象」]なるもの同志を掛けあはせて[#「掛けあはせて」は底本では「掛けあせて」]あるところが面白く、しかもその答たるや敢へて對稱[#「對稱」は底本では「對象」]でないところに……。
 お喋りの虫がまた活氣づきました。困りましたね、引込みませう。

(1)

    □0□
 ×   □6
―――――――
   5□2□
  □□□6
―――――――
  4□58□

[#第一段「□0□」は底本では「□5□」]
[#第四段「□□□6」は底本では「4□□6」]
[#第五段「4□58□」は底本では「4□50□」]

(2)

3A)1B3A
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     B1

(3)

      □□□
   ______
A□A)□□A□A
    □□6
   ――――――
     □□□
     □□8
    ―――――
      □□□
      □□□
     ――――
        0

(4)

       ABCBA
 ×     ABCBA
――――――――――――
       ABCBA
      BXZXB
     CZGZC
    BXZXB
   ABCBA
――――――――――――
   ANAPJLJXA

[#第五段「CZGZC」は底本では「CZCZC」]


        “虫喰ひ算”大會 第十七會場

 ここは第十七會場です。
 前の會場で、貴下は“第十六階選士にもなるとどうも問題が物足りなくてね”といはれた由。
 それはどうもお氣の毒さま。前會場は、半道を越えたお疲れ直しのつもりで設計をして置きましたが、さやうにお元氣ならば、はいはいよろしうございます。次に用意いたしました四つの問題、どうぞ御滿喫を願ひます。但し時計の針が、明日の目盛へ進むやうなことにならぬとも限らず、目覺時計をかけてから取懸つていただきませうか。

(1)

   □□E7
 −  NNN
―――――――
    EEE

[#第一段「□□E7」は底本では「□E7」]

(2)

       □□□□
   ________
142)123□□□□
    □□□□
   ――――――――
      □□□
      □□□
     ――――――
      100□
       □□□
      ―――――
        □□□
        □□□
       ――――
          0

(3)

      NGDI
   _______
TSD)WNITPA
    TSD
   ―――――――
     THTP
     TWNN
    ――――――
      PPNA
      NADI
     ―――――
       TPT

(4)

       □□□
   _______
□□□)□□□□84
     □□□
   ―――――――
      □□□
      6□□
    ――――――
       □3□
       □□□
     ―――――
         0


        “虫喰ひ算”大會 第十八會場

 お見受けしたところ、おん瞼がだいぶん腫れぽつたい[#「腫れぽつたい」はママ]ですね。いや、どうも口が滑りました。
 わが國に於いて“數學パヅル”研究の最も熱心なる仁は、大阪に居住される藤村幸三郎氏です。このパヅルの神樣は、古くからこのことに掛り、そしてそれに關する著書も斷然多く、私の記臆するところだけでも三四册あり、その上にこの數學パヅルを應用したゲームの考案もいろいろとあつて市販されてゐます。殊に「立體將棋」は傑作中の傑作で、木村名人を大いに呻らせたと申します。

(1)

9)□□□□□□
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
6) 3925□ 殘り4
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    □□□□ 殘り3

[#第二段「殘り4」と第三段「殘り3」は底本ではこの位置になく、第三段の下に「残り43」]

(2)

 □□□   2
――――― = ―
 □□□□   4

註:――
1から9までの九種の數字をはめこむこと(2と4とは既
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