はっきり分る。分っているのは、答の千位の数字が7だというだけである。この穴を埋める答がもしも出たとしたら、それは出鱈目《でたらめ》のまぐれ当りか、それとも初めから問題を知っていたせいだろうと邪推する人があるかもしれない。しかしそうではなく、やはり推理の力でどんどん押していって、これが解けてくるのである。もちろん大骨が折れる探偵事件であるが、さように大骨が折れるところが、また虫喰い算ファンにとって、実にこたえられない快味である。では取懸ることとしよう。

       □7□□□
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           0

 まず第一着手は0を探すこと。これは容易である。答の十位の□は0である。なぜなれば、八段目をよく見ると一度に上から二桁下りている。だから答の十位は0であることは歴然である。そこで
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