――――――――――――
       ABCBA
      BXZXB
     CZGZC
    BXZXB
   ABCBA
――――――――――――
   ANAPJLJXA


  “虫喰い算”大会 第十七会場


 ここは第十七会場です。
 前の会場で、貴下は“第十六階選士にもなるとどうも問題が物足りなくてね”といわれた由。
 それはどうもお気の毒さま。前会場は、半道を越えたお疲れ直しのつもりで設計をして置きましたが、さようにお元気ならば、はいはいよろしゅうございます。次に用意いたしました四つの問題、どうぞ御満喫を願います。但し時計の針が、明日の目盛へ進むようなことにならぬとも限らず、目覚時計をかけてから取懸っていただきましょうか。

(1)★

   □□E7
 −  NNN
―――――――
    EEE

(2)★

       □□□□
   ________
142)123□□□□
    □□□□
   ――――――――
      □□□
      □□□
      ―――――
      100□
       □□□
      ―――――
        □□□
        □□□
        ―――
          0

(3)★

      NGDI
   _______
TSD)WNITPA
    TSD
   ―――――――
     THTP
     TWNN
    ――――――
      PPNA
      NADI
     ―――――
       TPT

(4)★

       □□□
   _______
□□□)□□□□84
     □□□
   ―――――――
      □□□
      6□□
      ――――
       □3□
       □□□
       ―――
         0


  “虫喰い算”大会 第十八会場


 お見受けしたところ、おん瞼《まぶた》がだいぶん腫《は》れぼったいですね。いや、どうも口が滑りました。
 わが国に於いて“数学パズル”研究の最も熱心なる仁は、大阪に居住される藤村幸三郎氏です。このパズルの神様は、古くからこのことに掛り、そしてそれに関する著書も断然多く、私の記憶するところだけでも三四冊あり、その上にこの数学パズルを応用したゲームの考案もいろいろとあって市販されています。殊に『立体将棋』は傑作中の傑作で、木村名人を大いに呻らせたと申します。

(1)★

9)□□□□□□
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
6) 3925□ 残り4
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    □□□□ 残り3

(2)[#「(2)」は底本では「(2)★」]

 □□□   2
――――― = ―
 □□□□   4

註:――
1から9までの九種の数字をはめこむこと(2と4とは既に使ってありますね)

(3)★

       IOR
   _______
ACR)IDGDRR
     ACR
   ―――――――
     COOR
     SEOO
     ―――――
      UDSR
      OOIR
      ――――
       RID

[#「O」は覆面の英字です。]

(4)★

         □□7□
    _________
□□□□)□□9□□□□□
     □□□□9
    ―――――――――
      9□□□□
      □□9□□
      ―――――――
       □□□□9
       □□□□9
       ――――――
        □9□□□
        □□□□□
        ―――――
            0


  “虫喰い算”大会 第十九会場


 数学パズルは、なぜイギリスだけに盛んなのであるか、面白いことであります。私が序文のところに掲げた五冊の文献洋書は悉《ことごと》くイギリスの刊行にかかります。
 アメリカでは、あまりこんな辛気《しんき》くさいものを見かけません。尤《もっと》もアメリカにも全然ないというわけではなく、少しはあることはあるのですが、イギリスのようにアカデミックな風格は備えていません。アメリカではそれより手品や実験の方が、少年達に人気があるようです。
 ああ、そうそう。こちらは第十九会場!

(1)★

8)□□□□□
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
7) □□□□ 残り7
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    772 残り4

(2)★

 2  1
1―×4―=□
 □  5

(3)★

      AFBEC
   ________
ABC)ATTTAAT
    ABC
   ――――――――
     GFT
    
前へ 次へ
全18ページ中13ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
佐野 昌一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング