》の反復でもつて、男の脳中枢を麻痺させるんだわ。」
僕は茫然《ぼうぜん》と立ちすくんだ。危く白熱光を消さないままで、黒眼鏡をはづしかけたほどである。がその時、病院の中庭で、けたたましい銃声が立てつづけに響いた。自動車の爆音がきこえ、やがて大勢の足音が、入り乱れて廊下をこつちへ近づいて来た。僕たちが研究室へ飛びこむと同時に、廊下のドアから、顔面｜蒼白《そうはく》の鰐博士が駈《か》けこんで来、あとから黒い影が二つ、風のやうに押しこんで来た。
影たちの手にはギラギラ光るピストルがあつた。
それが一斉に火を吐いた。鰐博士はばつたり倒れた。
「反動……革命だ……」といふのが、その唇をもれた最後の※［＃「口＋耳」、第３水準１−１４−９４］《ささや》きであつた。阿耶は僕の胸のなかで失神した。
僕は二人の下手人《げしゅにん》を見た。そして、それがあの博物館にあつた赤膚媛、牙氏月姫といふ二体のミイラに他ならぬことを認めた。一人は乳房《ちぶさ》を揺り立てて笑ひ、もう一人はこれ見よがしに子宮部を突き出して哄笑《こうしょう》した。と、さつと身をひるがへして、再び風のやうに走り去つた。……
噂《うわ
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