きない。同人雑誌たる「新劇運動」は、その役割を数年後には果すのであつて、日本では、これが永久に続くのである。なぜなら、日本の新劇はいつまでも、「育たない」からである。
そこで、その理由を僕は十年来、根気よく書きつづけた。それを今度本にするから暇があつたら読んで下さい。
映画の話も出たが、今日の西洋映画は、以上述べたやうなわけで、スクリインに現はれる俳優の表現能力が、あるレベルに達してゐるといふだけで、日本の新劇よりも数等「演劇的」であることを指摘するに止めよう。(一九三六・九)
底本:「岸田國士全集23」岩波書店
1990(平成2)年12月7日発行
底本の親本:「現代演劇論」白水社
1936(昭和11)年11月20日発行
初出:「文学界 第三巻第十号」
1936(昭和11)年10月1日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年9月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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