させないでもない。官民互に相信じ合はないこと(或は信じ合へないこと)は前にも述べたやうに、日本国民にとつて、現代の憂鬱の一つである。
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 こんなことを書いてゐるときりがないからもうやめる。
 武田君には至極平凡な、大へん長つたらしいものを読ませることになつて相済まぬが、どうか許して下さい。殊に最後の一項は君の顔が目の前に浮んでゐるので、つひこんなにくどく書いたらしい。君の「愛国心」が何を語るか、僕は、それを聴く前に、もうわかつてゐるやうな気がする。がしかし、その言ひ方がどんなであるか、大いに楽しみである。(一九三六・八)



底本:「岸田國士全集23」岩波書店
   1990(平成2)年12月7日発行
底本の親本:「時・処・人」人文書院
   1936(昭和11)年11月15日
初出:「文学界 第三巻第八号」
   1936(昭和11)年8月1日
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年3月18日作成
青空文庫作成ファイル:
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