斬りにした手並は鮮かではあるが、苟も、喧嘩をする気でなければ迂闊に口には出せない文句である。批評をすることは喧嘩をすることではないのだから、これなどは、僕に言はせると、ちと「ヘン」なのである。
どんな暴言を吐いた後でも、平気でその対手と談笑ができるならそれこそ、全く以て不思議な現象である。わが大日本帝国の文壇は正に三河万歳と選ぶところはない。
底本:「岸田國士全集19」岩波書店
1989(平成元)年12月8日発行
底本の親本:「時事新報」
1925(大正14)年5月14、15日
初出:「時事新報」
1925(大正14)年5月14、15日
※初出時「独断三幅対」の題の元に小題「一、フアンテジイ」(13日)「一、フアンテジイ(つゞき)」(14日)「二、めい/\の表現」(14日)「三、批評について」(15日)と連載された。そのうち「一、フアンテジイ」「一、フアンテジイ(つゞき)」は「ファンテジイ」の題で青空文庫に収録されている。
入力:tatsuki
校正:Juki
2009年1月13日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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