保健、体育、娯楽、これだけ入れゝば、大体文化部門として文化部の取扱ふ範囲にはひると思ひます。
翼賛会の思想原理といふ問題ですが、これは先頃の協力会議での近衛さんのお話、それから有馬さんの翼賛会の実践綱領解説のなかに相当詳しくまた明確に述べられてをります。たゞ、こゝで私が少しく砕いてこれを解釈して申上げたいことは、今日翼賛会なるものは一つの政治性をもつべきものであると云はれてをり、また総務会でも大体さういふ方向に意見が、致したやうでありますが、一体この政治性といふことに就ては、所謂外国流の政治といふ概念でこれを解釈してはいけないのであつて、これはやはり日本風の、日本独特の政治理念といふものに立脚したものでなければならぬ。といふのは、これまでの政治に対する観念を考へてみると、国民全体――全体とは申しませんが、大部分の国民の頭のなかで、政府と国民といふものゝ間に何か対立的な意識が絶えず働いてゐる。つまり、治める治められるといふやうな言葉ではまだはつきりしませんが、一方は権力をもち、一方はその権力に服するといふやうな、さういふ対立意識がおのづからこの政治といふ言葉のなかにあつた。さういふ観念
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