を求めてゐるのである。アンドレ・ブリュレを求めてゐるのである。イヴォンヌ・プランタンを求めてゐるのである。
 さて、私がなぜこんなことを云ひ出したかといへば、私が、所謂新派劇の舞台なるものを観て、「なるほど、これが新派だな」と思つた部分は、俳優の「心がけ」一つで、どうにでも変へられるものらしく思はれたからである。そして、所謂新派俳優の強味は、「新派臭からざる部分」に於て、意外にも私の眼を惹いたからである。(一九二九・三)



底本:「岸田國士全集21」岩波書店
   1990(平成2)年7月9日発行
底本の親本:「現代演劇論」白水社
   1936(昭和11)年11月20日発行
初出:「悲劇喜劇 第六号」
   1929(昭和4)年3月1日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2007年11月20日作成
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