入れたのである。新劇協会との関係はなくなつたが、今日まで僕たちが面倒を見て来た研究生は、僕たちが責任を以て育て上げなければならない。で、此の方の仕事だけはなほこれからも続けて行くつもりでゐる。はつきり断つて置くが、これらの研究生は、新劇協会の研究生でもなく、また、文芸春秋社に因縁があるわけでもない。全く僕たち個人同志の関係で結びついてゐるに過ぎない。
かういふわけであるから、僕たちとしては、差当つて新劇団を組織する計画があるわけではなく、それよりも、わが国の新劇界に今出なくてはならぬやうな俳優を幾人でも送り出したい、そしてできるなら、さういふ人達と一緒に仕事をして見たいと想つてゐるのである。
底本:「岸田國士全集21」岩波書店
1990(平成2)年7月9日発行
底本の親本:「新選岸田國士集」改造社
1930(昭和5)年2月8日発行
初出:「読売新聞」
1928(昭和3)年1月27日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2007年5月1日作成
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