いやうであるが、「日本人には解らない」と思ひ、「解らうとしない」点に、まだまだ外国劇の妙味が潜んでゐるやうに思はれる。これは外国劇の妙味といふばかりでなく、これからの新しい日本劇が、多く学ぶべき本質的魅力が潜んでゐるやうに思はれる。
外国の戯曲を日本人流に解釈し、日本人式に感覚し、日本人風に演出することは、まだ早い。そんなことを今のうちからしてゐると、結局、外国の戯曲から「われわれに欠けてゐるもの」を見出し得ずにしまふだらう。(一九二五・一)
底本:「岸田國士全集20」岩波書店
1990(平成2)年3月8日発行
底本の親本:「現代演劇論」白水社
1936(昭和11)年11月20日発行
初出:「新小説 第三十年第七号」
1925(大正14)年7月1日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年9月10日作成
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