ろそれ以上に「日本女性」としてのまことに勝れた一性格をこの仕事の上で活かしきつてゐるところに、「小島の春」の見事な文学的価値が生れてゐるのだと思ふ。
どんなに社会的に活躍しても、どんなに「男性に伍して」知的な仕事に従事しても、それはたゞ、今日ではさういふ女の人もゐるといふだけで、女性全般のために、その矜りとなるものではない。私はそんな意味から、この「小島の春」の著者のやうな存在こそ、ほんたうに「女性の力」を天下に示したもので、これはわれ/\男性の歓びであるばかりでなくまた同時に女性全体の勝利と考へるものである。
底本:「岸田國士全集24」岩波書店
1991(平成3)年3月8日発行
底本の親本:「河北新報(夕刊)」、「新愛知」
1939(昭和14)年2月16日
初出:「河北新報(夕刊)」、「新愛知」
1939(昭和14)年2月16日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年11月12日作成
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