です。それを続けてゐるうちに、きつと、日本にもそれを模倣した乃至は、それから暗示を得た「面白い大衆現代戯曲」が現はれ、それが興行価値をもつとなれば、先づ「旧劇や新派」と対立して、立派に商業劇場の舞台を占領することになるでせう。それから先は俳優の腕次第です。その方面で、天才が現はれれば、これに越したことはありません。
さて、ほんたうの「新劇運動」――つまり、芸術としての演劇純化運動は、どうしてもそれから後でなければ存在理由がないやうです。
中村君なども、恐らくそれまでは、戯曲を書く興味が起らないのかもしれません。しかし、もうさう長いことではないでせう。(一九三三・二)
底本:「岸田國士全集22」岩波書店
1990(平成2)年10月8日発行
底本の親本:「現代演劇論」白水社
1936(昭和11)年11月20日発行
初出:「読売新聞」
1933(昭和8)年2月22日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年9月5日作成
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