求貸家
岸田國士
阿佐ヶ谷附近――高台――座敷又は書斎が往来に面してゐないこと――五間ぐらゐ――台所の踏板が反り返つてゐないこと――自動車の出入自由ならずともよし――なるべく近所に鶏を飼つてゐないこと――湯殿と便所が申訳についてゐるのでは困る――庭はそんなに広くなくてもよろしい――営養不良の松の木なんか植ゑてないこと――総じて家賃を貼り出してあるやうな体裁の家ならお断り――家主は軍人でも、小学校長でも、いいこと――番地は百三十二番地を忌む――御心当りの方は「手帖」気附にてお知らせを乞ふ――御希望により薄謝呈上。
底本:「岸田國士全集20」岩波書店
1990(平成2)年3月8日発行
初出:「手帖 第一巻第三号」
1927(昭和2)年5月1日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年10月6日作成
青空文庫作成ファイル:
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