の顔をちらと見たつきり、窓外の緑に眼を転じて、つらつら美術の精神について考へた。
モデルが帰つたあとで、私はこの友人の口から、「ああいふ女」が好きだといふ話を聞かされた。
なるほど、「ああいふ女」が好きである美術家に、私は一応敬意を払ひたい。なぜなら、それによつて、私の感情の古めかしさを教へられたからである。実際、さういふところにも、アトリエの新鮮さがあると、私は常に感じてゐる。(一九二七・一二)
底本:「岸田國士全集21」岩波書店
1990(平成2)年7月9日発行
底本の親本:「時・処・人」人文書院
1936(昭和11)年11月15日発行
初出:「アルト 第二号」
1928(昭和3)年6月1日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2007年7月2日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全7ページ中7ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
岸田 国士 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング