者、舞台監督、俳優並に舞台装置者の努力によつてある程度まで成功したならば、それは恐らく、我が演劇界に於ける劃時代的舞台を展開するであらう。
私は若き「心」座のために、更にこゝでは不遇であつた仏蘭西劇のために、そして結局は日本の「明日の演劇」のために、「落伍者の群」を聴かうとする人々の一人でも多い事を祈るものである。さやう、それらの人々は、今迄は「芝居を観に行つた」代りに、今度こそは、寧ろ「芝居を聴きに行く」つもりで、当日、邦楽座の聴聞席《おーでいとりうむ》に着席されたい。
それから、万一、例へば翻訳者の失敗によつて、「落伍者の群」に失望する人があつても、さう云ふ人は、第二、村山知義君作「孤児の処置」に於て、充分入場料金若干也の埋合せをつけ得るであらうことを保証して置きます。
底本:「岸田國士全集20」岩波書店
1990(平成2)年3月8日発行
底本の親本:「時事新報」
1926(大正15)年1月27日発行
初出:「時事新報」
1926(大正15)年1月27日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2006年2月18日作成
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