企画スタツフの良心と抱負とを信用して、私はたゞ、訳者として一言紹介の言葉を費すに止めよう。
「炬火おくり」は、演劇史的に云へば、フランス十九世紀末の頽廃的自然主義舞台の氾濫のなかから、ロスタンの「シラノ」と共に、力強い理想主義の大旆をかゝげて堂々と生れでた画期的な作品である。アカデミツクと云へばこれくらゐアカデミツクな作品はないが、そこがまた、時代が時代ならば、新鮮で、厳粛な感銘を与へ得るといふ一つの見本であらう。



底本:「岸田國士全集24」岩波書店
   1991(平成3)年3月8日発行
底本の親本:「『文学座第9回試演』パンフレット」
   1940(昭和15)年2月22日発行
初出:「『文学座第9回試演』パンフレット」
   1940(昭和15)年2月22日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2010年1月20日作成
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