死亡する者の数は、特別なレエザンの教区においては五分の一以下であり、アルプス及びユラの他の多くの教区においては四分の一以下であることがわかる。ヴォー州全体としてはそれは三分の一以下であった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Id. table xiii. p. 120.
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 ロオザンヌやヴヴェーの如き大都会の若干においては、多数の外人が移住しているので、成人の一六歳以下の者に対する比率は、レエザン教区とほとんど同一であり、ほぼ三対一であった。移出民の多くない教区においては、この比率は約二対一であった。そして住民を他国に送り出す教区においては両者はもっと同数に近かった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Id. table xii.
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 ヴォー州の総人口を、ミウレ氏は、一一三、〇〇〇、その中《うち》七六、〇〇〇は成人としている。従って、成人の一六歳以下の者に対する比率は、全州を通じて、二対一であった。この七六、〇〇〇の成人の中《うち》、現存結婚は一九、〇〇〇、従って結婚人員は三八、〇〇〇で、結婚していない者も同数であった。もっともミウレ氏によれば、後者の中《うち》おそらく九、〇〇〇は寡婦|鰥夫《かんぷ》であった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き、底本では欠落]。周知の移住があるにもかかわらず、かく多数の結婚していない者がいるのであるから、かかる移住が年結婚の数に著しい影響を与え、そして人口増加を阻害されたと想像すべき根拠は、ほとんどないのである。
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 1)[#「1)」は縦中横] 〔Id. premie`re partie, p. 27.〕
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 ミウレ氏の表によれば、ヴォー州における年結婚の総人口に対する比率はわずかに一対一四〇に過ぎず1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、これはノルウェイよりも低い数字である。
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 1)[#「1)」は縦中横] Id. table i.
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 ミウレ氏のこれら一切の計算は、彼が考察した全地域を通じて、人口に対する予防的妨げが著しい程度で作用していることを意味するものである。そして同一の習慣が、スイスの他の地方にも、――もっとも場所が異るに従って、環境や人民の職業が健康性を左右しまたその地方の資源が人口増加に対する余地を作るか否かによって、場所により著しく差異はあろうが――行われている、と信ずべき理由がある。
 ベルン市では、一五八三年ないし一六五四年に、最高会議は、四八七家族がブルジョアの階級に加わることを認めたが、その中《うち》三七九家族は二世紀の間に消滅し、一七八三年には、わずかその中《うち》一〇八家族が残っているに過ぎなかった。一六八四年ないし一七八四年の百年間に、二〇七のベルン人の家族が消滅した。一六二四年ないし一七一二年に、ブルジョアの資格は八〇の家族に与えられた。一六二三年には、最高会議は一一二の異る家族を集めたが、その中《うち》残るものはわずかに五八に過ぎなかった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Statistique de la Suisse, Durand, tom. iv. p. 405. 8vo. 4 vols. Lausanne, 1796.
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 ベルン市の結婚していない者の比率は、寡婦鰥夫を含めて、成人の半数より遥か以上であり、十六歳以下の者の以上の者に対する比率は約一対三である1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。これは予防的妨げが強力に働いていることの、有力な証拠である。
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 1)[#「1)」は縦中横] Beschreibung von Bern, vol. ii. table i. p. 35. 2 vols. 8vo. Bern. 1796.
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 ベルン州の農民は常に富裕をもって聞えているが、それは疑いもなく大いにこういう原因によるものである。あらゆる農民は、兵士として必要な武器や装具を所有していることを立証しなければ、結婚の許可を得ることが出来ないという法律が、しばらくの間行われていた。これは同時に極貧民を結婚させないものであり、それは多くの他の者に、ある程度の勤勉と節約を行わなければその希望を達し得ないことを知らしめて、もって彼らの習慣を好転せしめたであろう。この結婚という目的を抱いて国内か国外かで働いていた若者は、許可を得るに必要な額を得た時には、その誇りがむしろ高まり、単
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