著しく減少している、人口の現状では、フランスは、その人口の源泉を破壊することなくしては、一時行ったと同じ壮図《そうと》を実行することは出来ないであろう。
あらゆる時代に、フランスの兵役年齢の男子の数は、結婚せんとする傾向と1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、子供の数が多いこととのために、総人口に対して小さな比率しか有たなかった。ネッケルは、この事情に特に留意している。彼は、農民がはなはだしく窮乏するとその結果は三、四歳以下の小児の恐るべき死亡率が生ずるものであり、その結果として、小児の数は成人の数に比較して常に過大となる、と云っている。彼はまた正当にも、この場合の百万人は、人民がそれほど窮乏していない国の同数のものと、同一の軍事力も同一の労働能力もあらわすものではない、と云っている2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] フランスにおける結婚の人口に対する比率は、ネッケルによれば、一対一一三である。tom. i. c. ix. p. 255.
2)[#「2)」は縦中横] De l'Administration des Finances, tom. i. c. ix. p. 263.
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スイスは、革命前には、同時代のフランスよりも、遥かにより[#「より」に傍点]大なる比率の人口を、戦場に送り、または成人に適した労働に雇傭することが、出来たことであろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] 本書を書いて後に、私は『県会議事要録』〔Analyse des Proce`s Verbaux des Conseils Ge'ne'raux de De'partement.〕 を見る機会を得たが、これは第八年のフランスの国内状態に関する極めて詳細なかつはなはだ興味ある記事を載せている。人口に関しては、報告の載っている六九県のうち、一六県では人口は増加し、四二県では減少し、九県では停止的であるとされており、また二県では壮年人口は減少したと云われているが、しかし数の上では増減がない。しかしながら、これらの報告の大部分は現実の人口実測に基づくものではないように思われる。そしてかかる実証的資料なくしては、人口の問題に関する一般の世論、並びに兵役年齢の
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