ソ》四四〇、〇〇〇が結婚するということになる。従って、一八歳に達する人間が、年結婚の通常率を成立せしめるに必要な人数以上に生ずる超過は一六〇、〇〇〇すなわち男子八〇〇、〇〇〇となる。従って兵役適齢の未婚男子一、四五一、〇六三という一団と、これに毎年加えられる一八歳の青年八〇、〇〇〇とは、年結婚の数に少しも影響を及ぼすことなくして、兵役に徴集し得るわけである。しかし吾々は、この一、四五一、〇六三が一度に徴集されるとは想像し得ない。そして多くの兵士は結婚しており、従って人口増加に全然無関係というわけではない。そこで、吾々は、未婚男子の集団の中《うち》六〇〇、〇〇〇が一時に徴集され、そしてこの数は、一部は年々一八歳に達ししかも年結婚数を成立させるに必要でない八〇〇、〇〇〇から徴集され、また一部は戦前に存在していたところの、八五一、〇六三という未婚男子の一団の残りから徴集される、一五〇、〇〇〇の年々の補充によって維持されるものと仮定しよう。この二つの源泉から一五〇、〇〇〇が十年間毎年供給されても、しかも通常の年結婚数が一〇、〇〇〇以上増加すべきことは、明かである。
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 1)[#「1)」は縦中横] De l'Administration des Finances, tom. i. c. ix. p. 255.
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 なるほど十年経てば本来の未婚男子の一団の多くは兵役年齢を越すであろう。しかしこれは、彼らの結婚生活によって相殺され、また実に相殺されて余りあるであろう。五十歳の人間は一般に兵役年齢を過ぎたものと考えられるが、しかしもし彼が姙娠可能の女と結婚するならば、人口増加の上では決して無用ではないことを、最初から考慮に入れなければならぬ。そして事実上、毎年一五〇、〇〇〇の新兵の補充は、主として年々一八歳に達する三〇〇、〇〇〇の男子から取られ、従って年結婚数は多く未婚者の本来の一団の残留部分から供給されるであろう。四十歳五十歳の鰥夫や独身者は、通常の事態においては適当な配偶者を得るのが困難であろうが、このように夫が少い時にはこの困難もおそらく除去されるであろう。そして六〇〇、〇〇〇という人間がいなくなるので、もちろん年結婚数が非常に増加する余地が与えられるであろう。この増加は確かに起った。しからざれば独身を続けたはずの本来の独身者の一団
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