技術では劣った種族に、その土地を奪われてしまうとは、考えられぬことであった。
陸路では一時の間その近隣者の武勇と貧困とに妨げられていたが、スカンジナヴィアの諸民族の進取の精神と過剰人口とはまもなく海路に吐け口を見出した。シャアレマン大帝の治世以前にも恐れられていたが、この大帝の時にはその用心と武力とにより辛うじて彼らは撃退された。しかし大帝の弱体後継者の下で帝国が争乱に陥っている時に、彼らは猛火の如くに低サクソニイ、フリイズランド、オランダ、フランドル、及びメンツに至るまでのライン河流域に、拡がったのである。
沿岸地方を長期間荒した後、彼らはフランスの中心地に入り込み、その最も美しい都会を掠奪し焼き払い、その王侯に莫大な貢物を課し、そして遂にフランス王国の最も立派な州の一つを割譲させた。彼らはスペイン、イタリア、及びギリシアを恐怖に陥れ、到る処に荒廃と恐怖とを拡げた。時には彼らは、相互の殺戮を求めるかの如くに、同志打ちをした。また時には、彼らの狂暴な蹂躪によってある場所に生じた恐るべき人間破壊を他の場所で埋め合せるのを望むかの如くに、未知のまたは無住の国々に移民を送ったのである1)
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