曰う、この敵は、北方の最も遠方の種族から絶えず勇敢な義勇兵を補給されているものであった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。異種族をわけなく吸収したことが、おそらく、ゲルマン民族が最も破壊的な敗北の後に、かくも急速にその勢力を恢復したやり方であったらしい2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、と。しかしこの説明は、問題の難点を少し先へやるだけのことである。これは、地球は亀の上にあると説くことになるが、ではその亀は何の上にあるかは云わないのである。吾々はなお問い得よう、この勇敢な冒険者の絶間なき水流を補給した北方の貯水池は何であるかと。この問題に関するモンテスキウの解答は、思うに承認し難いものである。彼は曰う、昔北方から押し出て来た野蛮人の群は、今日ではもはやない、と。そして彼がその理由としてあげていることは、ロウマの暴力は南方の人を北方に駆逐したが、彼らは、この力が続く限りそこに止っていたが、それが衰えるや否や、再びあらゆる国に拡がった、というのである。
[#ここから2字下げ]
 1)[#「1)」は縦中横] Gibbon, vol. iv. c. xxv. p. 283.
 2)[#
前へ 次へ
全389ページ中174ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング