驪Q饉の原因を調査しようと努め、そしてまず飢饉に際して支那は隣国から援助を受けることは出来ず、従って必然的に自己の諸省からその資源の全部を引出さなければならぬ、と云っているが3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]、これはその通りである。彼は次に、遅延や不正があるので、公共の穀倉を開いて最も惨害のひどい地方を救おうとする皇帝の意思が、しばしば達せられない、と述べている。過度の飢饉か不意の洪水かのためにある省に不作が起る時には、偉い宦官は公共の穀倉に助けを求めるが、しかしそれはしばしば、これを管理する下級宦官の不正のために全く空になっている。そこで尋問や調査が行われるが、一般にかかる好ましくない情報を宮廷に知らせたがらない。しかし終には記録が提出される。かかる記録は多くの人の手を経るので、当分の間は皇帝の手許に達しない。そこで国家の大官は集合して人民の窮乏を救うべき方法を審議すべきことを命ぜられる。かくする中に、人民に対する憐愍の情が一杯に表示された布告が全国に発表される。ついに会議の決議が公布される。しかし他の無数の儀式が徒らにその実行をおくらしてしまう。ところが苦しんでいるものは救済が届かぬうちに餓死してしまう。この最後を待たぬものは全力を出して他の地方に匐《は》って行き、そこで食物を得ようとするが、しかしその大部分は途上に斃れてしまうのである4)[#「4)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Lettres Edif. et Curieuses, tom. xxii. p. 174.
 2)[#「2)」は縦中横] Id. p. 186.
 3)[#「3)」は縦中横] Id. p. 175.
 4)[#「4)」は縦中横] Id. p. 180.
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 飢饉が起った時、宮廷が人民を救う何かの努力をしないと、たちまち掠奪者の小群が集まり、次第にその数を増して、その省の平安を害するに至る。だから多くの命令が常に発せられ、そして飢饉が終るまで人民を慰藉する運動が引き続いて行われる。そして入民を救う動機は純真な憐愍の情よりはむしろ国家の必要にあるのであるから、人民は、その必要が要求する時期と仕方で救われることは、少なかろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中
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