「る1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。従ってこの原因より生ずる人口に対する妨げは、オスチャック族よりも大であるはずである。
[#ここから2字下げ]
 1)[#「1)」は縦中横] Voy. de Pallas, tom. iv. p. 5.
[#ここで字下げ終わり]
 かかる冷酷な地方の原住民の大部分は、ほとんど同様な悲惨な生活をしているのであるから、従ってそれを述べてみたところで徒らに反復に過ぎないであろう。右に述べたところからして、吾々は、これらの荒蕪の地方が与える乏しい生活資料の水準に現実の人口を圧迫している主たる妨げがどんなものであるかを、十分察知することが出来よう。
 シベリア南部のある地方及びヴォルガ河の流域では、土壌は極めて肥沃であるとロシア旅行家は述べている。それは一般に、施肥の必要がないほど、またはむしろ施肥に堪えないほど肥えた、黒土から成っている。肥料は単に穀物を繁茂させすぎるだけのことであり、それを地に倒して腐らしてしまうだけのことである。この種の土地の唯一の沃度恢復法は、それを三年に一度ずつ休耕地とすることである。そしてこの方法を行っていけば、地味は無尽蔵という土地もある1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかも、このように最も豊富な生活資料が得られそうに思われる便宜がありながら、これらの地方の多くは人口稀薄であり、そしてそのいずれにおいても、おそらく、人口は、土壌の性質から期待され得るようには増加しないのである。
[#ここから2字下げ]
 1)[#「1)」は縦中横] Voy. de Pallas, tom. iv. p. 5.
[#ここで字下げ終わり]
 かかる国は、サア・ジェイムズ・スチュワアトがうまく説明しているところの、道徳的増加不可能の下にあるように思われる1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。もし政治の性質かまたは人民の習慣の上からして、新しい農場の開拓または旧い農場の分割に対し障害が存する場合には、社会の一部分は、明白な豊饒の真ただ中においてすら、欠乏に悩むであろう。一国が豊富に食物を生産する力を有つというだけでは十分でなく、社会の状態が、その適当な分配の手段を与えるが如きものでなければならない。そして何故にこれらの国において人口増加がおそいかという理由は、労働に対する需要が小であるため土壌の生産物の分配を妨げられると
前へ 次へ
全195ページ中132ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング