_場に対して年々支払わるべき貨幣の一部分のみが、土壌の本来的なかつ不可壊的な力に対して与えられたものであり、その他の部分は、地質の改良のためにまた生産物を保全し貯蔵するに必要な建物の建造のために用いられた資本の使用に対して支払われたものであろう。アダム・スミスは時に私がそれに限定せんと欲する厳格な意味における地代について論じているが、しかしこの言葉が通常使用されている通俗の意味におけるそれを論ずることがより[#「より」に傍点]多い。彼は吾々に、ヨオロッパの南方諸国における木材に対する需要とその結果たる高き価格が、以前には地代を生じ得なかったノルウェイにおける森林に対して支払わるべき地代を齎した、と語っている。しかしながら、彼がかくの如く地代と呼ぶ所のものを支払った人は、その時地上に生長しているこの価値多い貨物を考慮してそれを支払ったのであり、そして彼は木材の売却によって、現実に利潤と共にそれを囘収したことは、明白ではないか? もし実際木材が伐り去られた後に、未来の需要を考えて木材またはその他の生産物を栽培する目的をもって、土地の使用に対してある報償が地主に支払われるならば、かかる報償は
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