髀鰍フ法則、すなわち貨物は、その生産に投ぜられる労働の分量の増減がなければ、決して価値において変動しない、という法則に、かなりの修正を齎すように思われる。それは本節において、労働の分量に何らの変動なくとも、単にその価値の騰貴は、それらの生産に固定資本が用いられる所の財貨の交換価値の下落を惹起すであろうし、固定資本の量が多ければ多いほど、下落は大である、ということが示されているからである。

[#ここから6字下げ、折り返して10字下げ]
第五節 価値は労賃の騰落と共に変動しないという原理は、資本の不等な耐久力、及び資本がその使用者に囘収される速度の不等なこと、によってもまた修正される。
[#ここで字下げ終わり]

(一九)前節において吾々は、二つの異れる職業における二つの相等しい資本について、固定資本及び流動資本の比例を不等なものと仮定したが、今度はそれらは同一の比例にあるが耐久力が不等である、と仮定しよう。固定資本の耐久力がより[#「より」に傍点]小となるに比例して、それは流動資本の性質に接近する。製造業者の資本を維持するためには、それはより[#「より」に傍点]短時間に消費され、かつそ
前へ 次へ
全691ページ中73ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング