「。
 利潤の下落なくしては、労働の価値における騰貴はあり得ない。もし穀物が農業者と労働者との間に分たるべきであるとするならば、後者に与えられる割合が大きければ大きいほど、前者に残る所はわずかであろう。同様に、もし毛織布または綿製品が労働者とその雇傭者との間に分たれるとするならば、前者に与えられる比例が大きければ大きいほど、後者に残る所はわずかである。そこで労賃の騰貴により利潤が一〇%から九%に下落すると仮定すれば、製造業者は、その固定資本に対する利潤として、その財貨の共通の価格に(すなわち五、五〇〇|磅《ポンド》に)五五|磅《ポンド》を附加せずに、その額に九%すなわち四九五|磅《ポンド》しか附加せず、従って価格は六、〇五〇|磅《ポンド》ではなくて五、九九五|磅《ポンド》となるであろう。穀物は引続き五、五〇〇|磅《ポンド》で売れるであろうから、より[#「より」に傍点]以上の固定資本が使用された製造財貨は、穀物またはその他のより[#「より」に傍点]少い分量の固定資本が入込んでいる財貨に比較して、下落するであろう。労働の騰落による財貨の相対価値の変動の程度は、固定資本が使用された全資本に対
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