アから2字下げ、折り返して3字下げ]
(註)本質的ではなく、かつ境界線を正確に引き得ない所の、区別である。
[#ここで字下げ終わり]
流動資本は、極めて時を異にして循環すること、すなわちその使用者に囘収されるということもまた、観察されるべきである。播種のために農業者が購入した小麦は、パンを焼くためにパン焼業者が買い入れた小麦に対しては、比較的に固定資本である。一方はそれを地中に遺し、一年の間は何らの報酬も獲得し得ないが、他方は麦粉に挽かせパンとしてそれをその顧客に売り、そして彼は一週間の後には、同一の事を繰返すか、またはある他の仕事を始めるために、彼の資本を解放し得るのである。
かくて、二つの事業が同一量の資本を使用するかもしれぬが、しかし固定した部分と流動する部分とについては極めて種々に異って分割されもしよう。
一つの事業においては極めてわずかな資本が流動資本として、換言すれば労働を支持するために、用いられるにすぎず――すなわち資本は主として機械、器具、建物等に、すなわち比較的に固定的かつ耐久的な性質の資本に投ぜられるであろう。他の事業においては、同一量の資本が用いられるであろ
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