ヘ依然真実であろう。
たとえ吾々が、より[#「より」に傍点]以上の進歩がなされ、かつ技術と商業の繁栄せる社会状態を見ても、吾々はなお、貨物がこの原理に従って価値において変動するのを見出すであろう。すなわち例えば、靴下の交換価値を測るに当って、吾々は、他の物と比較してのその価値が、それを製造しかつそれを市場に齎すに必要な全労働量に依存することを見出すであろう。第一に、原棉が栽培される土地の耕作に必要な労働がある。第二に、靴下が製造されるべき国に綿を運搬する労働があるが、それは綿を運搬する船舶の建造に投ぜられた労働の一部分を含み、そしてそれはこの財の運賃に算入されている。第三に、紡績工及び機械工の労働がある。第四に、その生産を助ける建物及び機械を作った所の機械工、鍛冶屋、及び大工の労働の一部分がある。第五に、小売商人その他これ以上特記する必要のない多くの者の労働がある。これら種々なる種類の労働の総額が、これらの靴下と交換せらるべき他の物の分量を決定するのである。他方投ぜられた種々なる分量の労働に関する同一の考察が、同様に、靴下に対し与えらるべきそれらのものの分量を支配するであろう。
こ
前へ
次へ
全691ページ中52ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング