A『けだし一物の価値は、その物の所有が齎す所の、他の財貨を購買する力に依存し、』そして労働はかかる他の財貨を購買するより[#「より」に傍点]わずかな力しか有っていないからである。
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第二節 異る質の労働は異った報酬を受ける。このことは貨物の相対価値における変動の原因ではない。
[#ここで字下げ終わり]
(一三)しかしながら労働をもってすべての価値の基礎であると論じ、かつ労働の相対的分量をもってほとんど全く貨物の相対価値を決定するものであると論ずるに当って、私は、労働の異る質を、また一つの事業における一時間または一日の労働を他の事業における同時間の労働と比較する困難を、考慮に入れぬものと考えられてはならない。異る質の労働の評価は、すべての実際的目的のためには十分正確に、市場において速かに調整され、そして労働者の比較的熟練、及びなされたる労働の強度に依存するものである。この準尺は、一度形成されれば、ほとんど変化を蒙らない。もし宝石工の一日の労働が、普通労働者の一日の労働よりも価値がより[#「より」に傍点]大であるならば、それは久しい以前から調
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