ホ生ずることのないのを観察する時には、吾々は、資本を事業に、そのまさに必要とする分量において割当てる所の原理が、一般に想像されているよりもより[#「より」に傍点]活溌に働いていることを、認めなければならないのである。
(三四)一資本家は、その資金に対して有利な用途を探し求めるに当り、一つの職業が他の職業以上に有つ所のすべての得点を、当然考慮に入れるであろう。従って彼は、一つの職業が他の職業以上に有つ所の、安固や清潔や容易やその他の実際のまたは想像上の得点を考慮して、その貨幣利潤の一部分を喜んで抛棄することもあろう。
もし、かかる事情についての考慮によって、資本の利潤が調整され、その結果一つの事業においては利潤は二〇%、ある他の事業においては二五%、またある他の事業においては三〇%となるならば、これらはおそらく引続き永久的に、この相対的差異を、そしてこの差異のみを、維持するであろう。けだしもし何らかの原因がこれらの事業の一つにおける利潤を一〇%だけ引上げたとしても、しかもかかる利潤は一時的であってまもなく再びその通常の地位に復帰するか、または他の職業の利潤が同一の比例において引上げられ
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