「土地に、逐次用いられる資本部分から得られる生産物の不平等を減少せしめるものは何でも、地代を低下せしめる傾向があり、そしてこの不平等を増加せしめるものは何でも、必然的に反対の結果を生み、そして地代を引上げる傾向があることを、証明するに足るだけのことを、述べたと考える。
地主の地代について論ずるに当り、吾々はむしろそれを、ある一定の農場に投ぜられた一定の資本によって得られた生産物の一部分と看做し、その交換価値には少しも触れなかった。しかし生産の困難という同一の原因が、粗生生産物の交換価値を引上げ、かつまた地主に地代として支払われる粗生生産物のその部分をも引上げるのであるから、地主は生産の困難によって二重に利益を受けることは明かである。第一に、彼はより[#「より」に傍点]大なる分け前を得、そして第二にそれによって彼が支払を受ける貨物の価値が騰貴するのである(註)。
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(註)このことを明瞭ならしめ、かつ穀物地代と貨幣地代とが変動する程度を示すために、次の如く仮定しよう。すなわち十名の人間の労働が一定の地質の土地において一八〇クヲタアの小麦を得、そし
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