l三――三四四頁、傍点はリカアドウの施せるもの。)
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自然は製造業においては人間に対して何事もなさないであろうか? 吾々の機械を動かし、かつ航海を助ける所の風や水の力は、何物でもないか? 吾々をして最も巨大な機関を動かし得せしめる気圧や蒸気の弾力性――それは自然の賜物ではないか? 金属を軟かにしまた熔解する際の可燃焼物の有つ諸結果や、染色及び醗酵の過程における大気の分解力の有つ諸結果については言わぬとしても。製造業において自然が人間にその補助を与えず、かつまたそれを寛大に無償で与えないという製造業は、これを挙げることが出来ない。
私が右にアダム・スミスから写し取った章句を論評するに当って、ビウキャナン氏は次の如く云う、『私は、第四巻に含まれている生産的労働及び不生産的労働に関する諸観察において、農業は他のいかなる種類の産業よりも国民的貯財に対し附加する所より[#「より」に傍点]大なるものではないことを、証明せんと努力した。地代の再生産をもって社会に対する極めて大なる利益であると論ずるに当って、スミス博士は、地代は高き価格の結果であり、
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