かし単に公債所有者が不当な割前を得るという理由だけで、低廉な穀物と豊富な生産物とから生ずる大きな利益を得まいとするほどに、愚かな政策はあり得ない。
 穀物の貨幣価値によって公債の利子を調節しようという試みはなされたことがない。もし正義と信実とがかかる調節を要求するならば、古い公債所有者には多額の債務を負っていることになる。けだし彼らは一世紀以上同一の貨幣利子を受取り来っているのに、穀物は価格においておそらく二倍となりあるいは三倍となっているからである(註)。
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(註)マカロック氏は、見事な著書(『国債の利子を低減せる問題に関する一試論』――訳者註)において極めて力強く、国債に対する利子を下落せる穀物の価値に一致せしめるのが正当である、と主張している。彼は穀物の自由貿易に賛成しているが、しかし彼は、それは国家債権者に対する利子の減額を伴うべきである、と考えているのである。
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 しかし、公債所有者の境遇が、国の農業や製造業者やその他の資本家の境遇以上に、改善されると想像するのは、大きな誤謬である。それは実際上は改善を受けることより[#「より」に傍点]小であろう。
 公債所有者は、疑いもなく、啻に粗生生産物と労働の価格が下落したばかりでなく、更に粗生生産物が一構成部分として入込んだ他の多くの物の価格を下落したのに、同一の貨幣利子を受取るであろう。しかしながら、このことは、私が今述べた如くに、同一の貨幣所得を支出すべき他のすべての者と共通に彼が享受する利益である。――すなわち彼れの貨幣所得は増加せず、農業者や製造業者やその他の労働雇傭者のそれは増加し、従って彼らは二重に利得するであろう。
 労賃下落の結果たる利潤の騰貴によって資本家が利得すべきことが真実であるとしても、しかも彼らの所得はその貨物の貨幣価値の下落によって減少されよう、と云われるかもしれない。何がそれを下落せしめるはずであるか? 貨幣価値の変動ではない、けだし貨幣価値を変動せしめるものが何も起るとは仮定されていないから。その貨物を生産するのに必要な労働量の減少ではない。けだし、かかる原因は働かなかったし、またそれが実際働いたとしても、たとえそれは貨幣価格を下落せしめるかもしれぬとはいえ、貨幣利潤は下落せしめないであろうから。しかし貨物の原料となる
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