部分を決定するものが土地の相対的肥沃度であるということは、鉱山の相対的肥沃度が鉱山地代として支払わるべきその生産物部分を決定するということと同様に、確実ではないか?
 アダム・スミスが採掘費並びに用いられた資本の通常利潤を支弁するに足るのみであるためその所有者が採掘する他ないような若干の鉱山がある、ということを明言した以上、吾々は、すべての鉱山生産物の価格を左右するものはかかる特定の鉱山であるということを彼が承認するものと予期すべきであろう。もし古い鉱山が、必要とされる石炭量を供給するに足りないならば、石炭の価格は騰貴し、そして、新しくかつより[#「より」に傍点]劣れる鉱山の所有者が、その鉱山の採掘によって資本の普通利潤を取得し得ることを見出すに至るまでは、それは騰貴し続けるであろう。もしその鉱山がかなり豊富であるならば、彼れの資本をかくの如く使用するのが自分の利益となるに至るまでは、騰貴は甚《はなはだ》しくはないであろう。しかし、もしそれがかなり豊富でないならば、価格は、その出費と資本の通常利潤とを支払うに足るだけの金銭を彼に与えるに至るまで騰貴しなければならないことは、明かである。かくて石炭の価格を左右するものは常に最も貧弱な鉱山であることがわかる。しかしながら、アダム・スミスは違った意見も有っている。すなわち曰く、『最も肥沃な炭坑はまた、その近隣のすべての他の炭坑の炭価を左右する。この炭坑の所有者と企業者とは、彼らのすべての隣人よりも下値に売ることによって、前者は彼がより[#「より」に傍点]大なる地代を取得することが出来、後者は彼がより[#「より」に傍点]大なる利潤を取得することが出来ることを見出す。彼らの隣人は、そう容易にそれに堪え得ず、それは彼らの地代と利潤とを常に減少せしめまた時にはそれを全然無くしてしまうとはいえ、直ちにそれと同一の価値で売らざるを得なくなる。若干の鉱山は全然抛棄され、他のものは地代を与え得ず、そして単に所有者によって採掘され得るのみである。』もし石炭に対する需要が減少するならば、またはもし新行程によって分量が増加されるならば、価格は下落し若干の鉱山は抛棄されるであろう。しかしあらゆる場合において価格は、地代を課せられることなくして採掘される鉱山の出費と利潤とを支払うに足らなければならない。従って価格を左右するものは最も貧弱な鉱山である
前へ 次へ
全346ページ中268ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング