〇四)穀物の輸出奨励金は外国消費者にとりその価格を低める傾向を有っているが、しかしそれは内国市場におけるその価格に対しては何らの永続的な影響も有たないものである。
 資本の通常かつ一般的な利潤を与えるためには、穀価が英国において一クヲタアにつき四|磅《ポンド》であるべきであると仮定すれば、それは、一クヲタアにつき三|磅《ポンド》一五シリングで売られている外国には輸出され得ないであろう。しかしもしも一クヲタアにつき一〇シリングの奨励金が輸出に対し与えられるならば、それは外国市場において三|磅《ポンド》一〇シリングで売られることができ、従って、穀物栽培者は、それを外国市場で三|磅《ポンド》一〇シリングで売ろうとまたは内国市場において四|磅《ポンド》で売ろうと、同一の利潤を得るであろう。
 かくて英国穀物の価格を外国でその国の穀物生産費以下に低めるべき奨励金は、当然英国穀物に対する需要を拡張し、そして自国穀物に対する需要を減少せしめる。英国穀物に対するこの需要拡張は、一時内国市場においてその価格を高め、かつその期間中またこの奨励金が齎すべき傾向あるほどにそれが外国市場において下落することを妨げざるを得ない。しかし英国における穀物の市場価格にかくの如く作用する原因は、その自然価格またはその真実生産費には何らの影響をも及ぼさないであろう。穀物の栽培には、より[#「より」に傍点]多くの労働もまた、より[#「より」に傍点]多くの資本も必要とされず、従ってもし農業者の資本の利潤が以前には単に他の事業家の資本の利潤と等しいに過ぎなかったならば、それは価格の騰貴の後には、著しくそれ以上になるであろう。農業者の資本の利潤を騰貴せしめることにより、奨励金は農業に対する奨励として作用し、そして資本は、外国市場のための膨脹せる需要が供給されてしまうまでは、土地に用いられるために製造業から引き去られるであろうが、その時には穀価は内国市場において再びその自然価格、必要価格にまで下落し、利潤は再びその通常かつ慣習的な水準に下落するであろう。外国市場に影響を及ぼすこの穀物の供給増加は、またその輸出先の国の穀価を下落せしめ、そしてそれによって輸出業者の利潤を、彼が辛うじて取引をなし得る最低率に制限するであろう。
 しからば、穀物の輸出奨励金の窮極的結果は、内国市場における価格を騰落せしめることではなくて
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