たために、それはもはや以前にそれが輸出された国の国産品と競争し得なくなるかもしれない。あらゆるかかる場合においては、著しき困苦とそして疑いもなくある損害を、かかる貨物の製造に従事する人々は経験するであろう。そしてこれは、啻にかかる変化の時においてのみならず、更に彼らが支配し得る資本及び労働を一つの職業から他の職業に移しつつある期間全体に亙って感ぜられるであろう。
かかる諸困難が発生したのみならず、更にその貨物が以前に輸出された国々においても、困苦は経験されるであろう。いかなる国も、輸出しない限り長く輸入することは出来ず、またいかなる国も輸入しない限り長く輸出することは出来ない。しからば、もしある国をして、外国貨物の平常量を輸入することを、永久的に妨げるある事情が起るならば、それは必然に平常輸出されていた貨物中の、あるものの製造を減少せしめるであろう。そして、同一額の資本が用いられていようから、その国の生産物の総価値はおそらくほとんど変動しないであろうとはいえ、しかもそれは同様に、豊富でかつ低廉ではないであろうし、また職業の変動によって著しい苦痛が経験されるであろう。もし一〇、〇〇〇|磅《ポンド》を、輸出向綿製品の製造に用いることによって、年々、吾々が二、〇〇〇|磅《ポンド》の価値ある絹靴下三、〇〇〇足を輸入するとし、そして外国貿易の中絶のために、吾々がこの資本を綿製品の製造から引去り、それを吾々自身靴下の製造に用いるを、余儀なくされたとしても、資本のいかなる部分も破壊されない限り、吾々は依然二、〇〇〇|磅《ポンド》の価値を有つ靴下を取得するはずである。ただし吾々は三、〇〇〇足ではなく、単に二、五〇〇足を得るに過ぎぬであろう。資本を綿工業から靴下業に移転するに当って多くの困苦が経験されるかもしれない。しかし、たとえそれが吾々の年々の生産物の分量を、減少することがあるとしても、国民財産の価値を著しく害することはないであろう(註)。
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(註)『商業は吾々をして、一貨物を、それが見出さるべき場所において取得し、それが消費せらるべき他の場所にそれを運送することを、得せしめる。従って、それは吾々に、その貨物の価値を、これらの場所の第一におけるその価格と第二におけるその価格との間の全差額だけ、増加する力を与えるものである。』セイ氏、第二
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