ッ騰貴せしめられるであろう。もし帽子製造業者が彼れの帽子によって一、〇〇〇|磅《ポンド》ではなく一、一〇〇|磅《ポンド》を利得するとしても、彼は租税として政府に一〇〇|磅《ポンド》を支払い従って依然彼自身の消費のための財貨に対し支出すべき一、〇〇〇|磅《ポンド》を有つであろう。しかし毛織布、穀物、及びその他すべての貨物は同一の理由によって価格において騰貴せしめられるから、彼はその一、〇〇〇|磅《ポンド》に対し以前に九一〇|磅《ポンド》に対し取得した以上を取得しはせず、かくして彼はその支出を減少せしめて国家の緊急費に貢献するということになろう。彼は、租税の支払によって、国の土地と労働との生産物の一部分を彼自身では使用せずして、それを政府の処分に委ねることになるであろう。もし彼れの一、〇〇〇|磅《ポンド》を支出せずして、それを彼れの資本に附加するならば、彼は労賃の騰貴及び粗生原料品と機械との費用の増加に際し、彼れの一、〇〇〇|磅《ポンド》の貯蓄が以前の九一〇|磅《ポンド》の貯蓄額以上に及ばぬことを見出すであろう。
もし貨幣が課税されるならば、またはもしある他の原因によってその価値が変動し、そしてすべての貨物が以前と正確に同一の価値に留まるならば、製造業者と農業者との利潤もまた以前と同一であり、それは引続き一、〇〇〇|磅《ポンド》であろう。そして彼らは各々政府に対し一〇〇|磅《ポンド》を支払わなければならぬであろうから、彼らはわずかに九〇〇|磅《ポンド》を保持するに過ぎず、それは彼らがそれを生産的労働に支出しようとまたは不生産的労働に支出しようとに論なく、国の土地及び労働の生産物に対するより[#「より」に傍点]小なる支配権を彼らに与えるであろう。正確に彼らが失う所を政府は利得するであろう。第一の場合においては、納税者は一〇〇〇|磅《ポンド》に対し、彼が以前に九一〇|磅《ポンド》に対し得た所と同一の分量の財貨を得るであろう。第二の場合においては、彼は単に以前に九〇〇|磅《ポンド》に対し得たと同じ額を得るに過ぎないであろうが、それはけだし財貨の価格は依然として不変であり、そして彼は単に九〇〇|磅《ポンド》を支出し得るに過ぎないからである。このことは租税の額の相違から起るものである。第一の場合においてはそれは単に彼れの所得の十一分の一に過ぎない。第二の場合においてはそれは十分
前へ
次へ
全346ページ中165ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング