ど困ることはない。従って飢饉はほとんど不可能のように思われる。が、アメリカの人口が増加するにつれ、労働者の報酬は早晩その潤沢さを大いに減ずるものと、予期し得よう。この場合には、人口は、それに比例する生活資料の増加なくして、永続的に増加するであろう。
 ヨオロッパ各国には、それぞれの国に行われる生活の習慣の相違から生ずる、住民数と食物消費量との比率の若干の変化があるに違いない。英蘭《イングランド》南部の労働者は精白小麦粉のパンを食う習慣があるので、彼らは半ば餓死するほどの地位に陥らぬ限り、蘇格蘭《スコットランド》の農民の如き生活には甘んじないであろう。
 彼等もおそらく早晩、必然という厳酷な法則の不断の作用により、支那の下層民のような生活に没落するかもしれず、その時は、この国は同一量の食物をもってより[#「より」に傍点]大なる人口を養うことであろう。しかしこれを実現するのは常に困難な企てでなければならず、そしていやしくも人道の友たるものはこれが不成功に終らんことを希望するであろう(訳註)。
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〔訳註〕ここまでの六パラグラフは大体において第一版を基礎とするものであるが
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