B不具の子供が棄てられるのは非常に一般的である。そして南アフリカの種族のあるものでは、その労働に能く堪えない母の子供は、親の弱点を遺伝するかもしれぬという恐れから、同じ運命を分つのである2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] Robertson, b. iv. p. 108.
2)[#「2)」は縦中横] Lafitau, Moeurs des Sauv. tom. i. p. 592.
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アメリカ土人の間に不具者が著しく少ないことの原因を、吾々はこの種の原因に帰しなければならぬ。たとえ母がその子供達を区別なしに育てようと努めたとしても、全体のうちある比例のものは、蒙昧生活の運命たる峻烈な試練の下に死んでしまうのであり、その結果としておそらく、本来の虚弱や欠陥をもちながら働くものは、何人も成年になるまで生きることは出来ないのである。もし彼らが生れるや否や殺されないとしても、彼らを待つ苛酷な試練があるのであるから、久しくその命を保つことは出来ない1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。インディアンがこれほど
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