@コリンズ氏がこの蒙昧人について述べているところは、思うに、ある程度まで満足な答を与えるものであろう。それによると彼らの身長は一般に高くなく、身体はがっちりともしていない。彼らの腕や脛や腿は瘠せているが、それは彼らの生活様式が貧弱なためである。海岸に住むものは、食物としてはほとんど全く魚肉にたより、時に小さなゴム樹の幹の中にいるかなり大きな蛆を見出してほっとしている。森林には動物が非常に少く、それを獲るには非常に大きな労働がいるので、奥地の土人も海岸のものと同様に貧しい境遇にある。彼らは蜜や、むささび、袋鼠のような小動物を求めて、非常に高い木に登らざるをえない。幹が非常に高くしかも枝のない時には――これは密林での通例であるが――これは非常に骨の折れる労働であり、左手で木を抱きながら、一歩ごとに順次その石斧で刻目を作って、登るのである。その最初の枝に達するまで八十|呎《フィート》の高さに至るまでもこのようにして刻目をつけられた木が見られたが、ここまで登らなければ、飢えた蒙昧人はこれほどの骨折りに対する何らかの報酬を手に入れることを望み得なかったのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き
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