ノ対する主たる妨げと考え得る程度に行われているのであるから、この問題に関してはここで加える必要はない。女子の間で人口増加に都合の悪い習慣が行われているか否かについては、吾々は聞くところがない。もしかかるものが知られたら、それはおそらく非常な困窮の際の外には行われないことであろう。けだし各種族は当然に、その攻防力を増大するためにその人口を増加しようと希《ねが》うであろうからである。しかし南洋諸島の女が送る放浪的な生活と、不断の危急状態とは、絶えず武装して旅行したり働いたりすることを余儀なくさせるから1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、疑いもなく姙娠には非常に都合が悪く、家族が多くなるのを著しく妨げるに違いない。
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 1)[#「1)」は縦中横] Cook's Second Voyage, vol. i. p. 127.
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 しかしかかる人口に対する妨げは有力であるとはいえ、欠乏の季節が囘起《かいき》するところから見れば、それは人口を平均的生活資料以下に引き下げることは滅多にないことがわかる。『かかる季節があるということは、』(とキャプテン・ク
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