フ急速な減少の原因は、すべて、上述の人口に対する三大妨げに帰することが見られるであろう。そしてこれらの妨げは、特殊の事情によっては異常な力で作用するが、ある場合には、人口増加の原理よりもより[#「より」に傍点]強くはありえないであろう、とは主張されていないのである。
インディアンの酒精飲料に対する飽くことを知らぬ愛好は1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、シャルルボワによれば、表現しようのない烈しいものであるが2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、これは彼らの間に、しばしば死に至る争闘を絶えずひき起し、また彼らの生活様式からいって闘うことの出来ない新しい一系列の疾病に彼らを曝らし、かつ生殖能力をその本源そのものにおいて死滅させるのであるから、これだけで現在の如き人口減退を生み出すに足る罪悪と考え得よう。これに加うるに、ほとんどあらゆる所において、ヨオロッパ人とのインディアンの接触は、インディアンの意気を喪失させ、彼らの勤労心を弱めまたは誤った方向に向け、その結果として生活資料の源泉を減少する傾向のあることを、考えなければならない。サント・ドミンゴにおいては、インディアンはその残酷
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