Xしい事実である。ここではただ、その理論的代表者として例えばルウドウィヒ・ミイゼス1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、実践的代表者として第二次大戦終了に至るまでの日・独・伊の政策の如きを、挙げるだけで十分であろう。
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1)[#「1)」は縦中横] Ludwig Mises ; Ursachen der Wirtschaftskrise. 1931.
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次に、マルサス人口理論の否定的批判に至っては真に無数に存在すると云い得るように思われる。けだし上述の如くに、マルサス以後の経済学または社会思想に関する著書にしてこれに触れぬものはほとんどないと云っても差支えなく、しかもそれは一言なりとも批評的な言辞を弄しないものはまずないからである。
しかしながら、よく考えてみると、それに対する否定的批判は実は思ったほど多くは存在しないのであることがわかる。けだし否定的批判が真に否定的批判であり得るのは、問題の論者が単にこれを否定せんとする意図を有ったというだけでは足りないのであって、真にその批判がこの否定を全面的にまたは部分的に行ったという事実による
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