廻わして角力がとれると云うことになります。しかるに日本においては残念ながら百貨店のみ強く、個人商店はだいぶ見劣りがします。角力に喩えて見ると東方に横綱、大関が幾人も居て、西方は幕下ばかり居るかたむきがありてんで[#「てんで」に傍点]角力にならない。
 西洋では百貨店に梅ヶ谷もあれば、一流商店に常陸山あって堂々と角力を取って居るような趣きがあります。

    百貨店に対抗する戦術

 日本では百貨店が急に勢力を得たもので、一般商店は少々立後れの気味があるのに引換え、西洋では多年百貨店を見ながらやって来て居るので、百貨店に対抗する戦術を心得て居ます。日本では一流の大商店、すなわち※[#「にんべん」、第4水準2−1−21]《にんべん》も鰹節を百貨店に納めて居る。また菓子店として有名な藤村や栄太楼も自店の品を納めている。そこで一般のお客は特に藤村や栄太楼に行かなくても、百貨店で用が足りる事になる。従って自店の御得意をわざわざ百貨店に進上した形になって居ります。
 それに引きかえて、英、仏等の一二流店では、決して自店の品を百貨店に納めるような愚をしない。これは自衛まことに当然なことであります。
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