教えられるところが非常に多い。接客のサービスとか、仕入れだとか、デパートに教えられる。こうした不断の研究を怠たらぬことが肝要だと思う。現在の小売商はデパートに較べると著しく進歩がおくれている。これは研究して経営を合理化して行かねばならぬ事と思う。」
「中村屋の繁昌ぶりでは一ヶ年の売上高も相当巨額なものでしょうし、従って純益も莫大なものでしょう」
「昨年度の成績だと百二十二万円ばかり売っている。そうして利益は六万九千円ばかりになっているから、割合にすると売上高の五分七厘くらいである。この四月は製造高が一二万円で店売りが十三万円ばかり、まあ菓子の売上高としては日本でも指折りの方であろう。これは何もかくす必要もないのでサラケ出しているが、税務署から調べに来て売上高の多いのには驚いていたが、それにしては利益が少なすぎるというので、どこかにかくしてあるだろうということであった。そこで私はスグ店員を四方へ走らせて東京で第一流の菓子店と百貨店などから私の店で売っている品と同様のものを買い求めさせて、お役人の目の前で秤にかけるやら食べてみるやらして試験してお目にかけた。ところがその結果私の店のものが平
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