いのでありますから、私はこの労に酬いるため福袋を頒つ事に致しました。その方法は平日の売上高の二割増を境として、この福袋線を超加した日を福袋デーと定め、当日の売上高の二分を分配する事に致しました。毎年四月とか年末の如き忙しい季節には、福袋が隔日ぐらいに配られまして俸給の半額くらいに達します。従って店員は売上が福袋線を超えるや否や、非常な興味を持ちまして、たやすく突破して仕舞うのであります。かくの如く能率というものは、真剣にやるのと御義理にやるのとでは、たいへんな差の出来るものでありまして、こうした心遣いが店員の能率に予想以上の大影響ある事を経験させられました。
人格と教養
家持手当、夕食手当、配当、福袋等の注意を致しましたものの、これらは末節に属する事でありまして、さらに一歩を進めた根本問題は人格尊重と、智徳教養の二点であると思うのであります。これはなかなか困難な事でありまして、いまだ私の理想だけで実行とまでは参って居りませんが、その第一歩として、食事などは中流以上を標準とし、店主も店員も、職長も弟子も、ことごとく平等にし、また全店員の誕生日をもいっさい平等に祝い、観劇、角
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