は神仏の前あるいは崇高な人格者に相対する時、自ずとそこに額づき、挙動をつつしみ、言葉も自ずから改まります。その通り私どもの商売に好意を寄せて下さるお客様に対しては、尊敬の念が湧き、感謝の心を起し、自ずから丁重に接するようになる筈です。いうまでもなくよい菓子を拵えて満足してもらいたいと思い、包み紙一つにも心して、よい感じを贈りたいと自ずといろいろ工夫するものです。ましてしばらくの憩いの場所となるお茶のテーブルに、皿の形さえあればよい、腰掛けの用にさえ足ればよいとは考えられない。またこの思いはあなた方店の人たちに対しても同様です。こういう私どもの心持が一つの表現となって製品と化し、食器となり、家具その他いっさいの内容外観をつくるのであります。この生きることだに容易でない世に自分の才分にもない油絵、彫刻、書画をもって店を荘厳することは過ぎたるわざかも知れないけれど、お客様も私どももあなた方もけわしい人生の行路を辿る間に、お互いの触れ合う僅かの機会をも空しくせず、芸術を通してしみじみ生けるいのちのよろこびを感じ、天のはかり知れざる恩恵を謝し、共にその魂の浄化せられんことを願うものであって、神も
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